ドライマウス(口腔乾燥症)
1.脱水
- 糖尿病・腎疾患などの全身疾患
- いろいろな薬や治療の副作用(精神科の薬や多剤の服用は特に起きやすい。)
- 口呼吸
- 利尿作用のあるカフェイン飲料などの過剰摂取(コーヒー・緑茶・コーラなど)
2.唾液分泌の減少
- 中枢・抹消の神経障害
- 精神的ストレスによる交感神経の過緊張
- 喫煙 など
- 唾液による自浄作用の低下により虫歯・歯周病の悪化→口腔内細菌の乱れ
- 口臭
- 摂食嚥下障害
- 粘膜疾患(舌炎・舌痛症など)
- 感染症
- 消化器障害
- 異常口渇感・乾燥感
(ドライマウスにより舌乳頭が委縮した舌)
- シェーグレン症候群
- 甲状腺機能低下症
- 副腎皮質機能低下症
- 糖尿病・腎疾患
- 鉄
- 亜鉛
- ビタミンA
- タンパク質
- ビタミンB群(特にビタミンB12・葉酸)
自己免疫疾患と考えられています。原因は不明とされています。中年の女性に最も多くみられます。口の唾液腺や眼の涙腺など、体液を分泌する腺に白血球が侵入し、侵入した白血球が腺を傷つける結果この症候群の特徴的な症状である、口の乾燥・眼の乾燥が発生します。
一次性シェーグレン症候群 他の膠原病の合併が見られないもの
A 腺型 病変が涙腺、唾液腺に限局するもの
B 腺外型 病変が全身諸臓器に及ぶもの
二次性シェーグレン症候群 他の膠原病を合併するもの(関節リウマチ、全身性エリトマトーデス、橋本甲状腺炎、血管炎など)
- 口腔乾燥感がある
- 食事の時水が必要か
- 舌に味覚症状や異常な感覚
- 目がゴロゴロしたり、乾燥感
- 唾液腺の痛みや腫れ
- 胃がもたれる(胃酸の減少により)
- 性交性不快感(膣の分泌液の減少)
- 鼻が乾く、鼻血
- 皮膚の乾燥感
臨床症状は様々ですが、大まかに腺症状と腺外症状とに分けられます。
こんな症状はありませんか?
- 関節炎
- 精神不安定、集中力低下
- 髪の毛ぬける
- 疲れやすい
<その他腺外症状>
- 唾液腺もしくは涙腺の検査(顕微鏡による精密検査)
- 唾液分泌能の検査
- 涙液分泌能の検査
- 自己抗体の検査
このうち2項目以上が陽性(異常)であればシェーグレン症候群と診断することになっています。
1項目のみ陽性であっても、シェーグレン症候群として確定的な診断をするには不十分とされています。
①鉄とタンパク質不足
粘膜や皮膚の材料のコラーゲンは鉄・タンパク質・ビタミンCから構成されています。これらの栄養素が不足すると粘膜や皮膚が脆弱になり皮膚はかさついたり、粘膜は萎縮などの変化が起きてきます。
②ビタミンA不足(ここでは口腔症状に関するもののみを記載しています)
粘膜の異常角化、粘膜上皮機能の低下
分泌腺の萎縮にともなう粘膜の乾燥
→その結果 気道の易感染性や小腸の吸収能の低下、生殖機能の低下、眼球乾燥症、口腔乾燥症、暗順応の低下(とり目)
③亜鉛不足 亜鉛は200以上の酵素反応に関与しています。生命の維持・細胞の成長・分化・増殖に深く関与している。
体内に取り込まれた後のビタミンAの運搬と移動に亜鉛が必要です。そのため亜鉛欠乏があってもビタミンAが体内で作用しずらくなります。
つまり亜鉛とビタミンAはセットで摂取するのが効果的です。
④ビタミンB群不足 皮膚や粘膜はビタミンB群不足の影響を受けやすい組織です。
ビタミンB2→口角口唇炎・脂漏性湿疹・舌炎・角膜血管新生
ビタミンB6→脂漏性湿疹・ペラグラ様皮膚炎・(ビタミンB2欠乏に類似)
ナイアシン→ペラグラ
ビタミンB12→ハンター舌炎、色素沈着
葉酸→色素沈着、口唇炎(ビタミンB12欠乏に類似)
*ペラグラとは ナイアシン欠乏。皮膚炎・下痢・認知症などの症状がある。
- 血液検査などの結果をもとに全身疾患がないかチェック→全身の病気が疑われる場合は専門医を受診してもらいます。
- 食生活・生活習慣のチェック・指導
- 血液検査などの結果をもとに分子栄養学に基づく過不足のある栄養を診断し補給
*上記のものはおおまかな流れです。個人により多少異なる場合があります。詳しく知りたい方はお問合せください。