金属アレルギーと掌蹠膿疱症

口腔内と全身疾患の関係性についてはまだまだ知られていないことが多いと思いますが、口の中の金属と手や足にできる皮膚疾患の関係性については是非知っておいてほしいものの一つです。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや指、足の裏に膿をもった水疱が見られる病気です。この水疱の内容物は白血球の一種の好中球が角質にたまったものであり、無菌性であることが特徴です。そのため他の人に感染することはありません。この水疱が時間の経過とともに破れかさぶたを形成します。また周期的によくなったり、悪くなったりを繰り返します。

よくアトピー性皮膚炎や足に関しては水虫などと間違われることも多くあると思います。またステロイドや水虫の治療薬などを塗ってもなかなか改善しません。

掌蹠膿疱症の原因とは、詳細については不明ですが口腔内の扁桃炎や金属アレルギーと関係が深いと言われています。掌蹠膿疱症は症状が出ている手のひらや足の裏とは全く関係ないところの慢性炎症があってこの病気を引き起こしていることがあります。発病した部位と離れた遠隔の慢性炎症が原因で病気が発症することを病巣感染といいます。

★病巣感染
身体のどこかに限局した慢性炎症がありそれ自体はほとんど無症状かわずかな症状を 呈するにすぎないが、遠隔の臓器に反応性の器質的および機能的な2次感染を起こす現象です。
 
口呼吸と慢性炎症

口で呼吸することにより、歯肉や粘膜が乾燥し、細菌に対する抵抗性や唾液の自浄性が低下し、プラークが歯面に付着しやすくなり炎症が増加します。加えて喉には口蓋扁桃や舌扁桃、アデノイドなどの器官からなる扁桃リンパ組織があります。扁桃リンパ組織は病原体などに対する免疫の獲得や、免疫防御機構を持つ重要な部分です。 喉の炎症が慢性化すると、異物から身を守る最前線であったはずの扁桃リンパ組織はしだいに雑菌の温床になり、その結果全身の免疫系に異常を引き起こします。 アトピー性皮膚炎・関節リウマチ・掌蹠膿疱症などの関連が指摘されています。また皮膚や関節、腎臓など扁桃から離れた部位に二次感染として様々な病気を発症します。
 
金属アレルギー
 
金属が原因で起こります。金属から金属イオンが溶け出しタンパク質と結合しアレルゲンとなるタンパク質に変質させます。ピアスやネックレス・腕時計・眼鏡などが皮膚や粘膜と接触したところに接触性皮膚炎をおこすのが一般的ですが、実は口腔内の金属もまたアレルギーを引き起こす原因になります。
 
金属から溶け出した金属イオンですが、皮膚では汗をかいたりすると余計に金属イオンが溶け出し悪化しやすくなります。口腔内も唾液により金属イオンが溶け出しやすい環境です。
 
金属アレルギーを起こしやすい金属とは
 
ニッケル・クロム・コバルトです。一方で銀や金・チタンなどはアレルギーを起こしにくい金属と言われていますが、実はこれらの金属にもアレルギーを起こしている人はいます。
 
歯科治療でよく使われている金属
 
①金銀パラジウム合金  保険治療でよく使われる金属です。約12%金 約50%銀 約20%パラジウムや銅
②コバルトクロム合金  保健医療の部分入れ歯に多く使われる金属です。約60%コバルト 約30%クロム 約5%モリブデン
③チタン 被せ物やインプラント・矯正ワイヤーに使われます。低アレルギーや生体親和性がよいとされています。 約90%
④金合金  自費診療の被せ物や入れ歯の金属部分に使われています。 約60%以上金 その他銀や銅、プラチナも含みます。
 
 
 
 
金属のイオン化とは?
 
金属が水や水溶液中でイオンになり溶け出しやすい性質のことをいいます。口腔内には唾液があり皮膚などよりもより金属が溶け出しやすく、溶け出した金属イオンは唾液中のタンパク質と結合してアレルゲンになり金属アレルギーを引き起こします。これが血中にながれ全身に影響を及ぼします。
 
ガルバニック電流とは?
 
違う種類の金属同士が唾液を介して接触する微量な電流で、口腔内は脳と近い場所にあるため口の中でガルバニック電流が流れると脳がこの微量電流により混乱を起こします。これ自体がイライラ・不眠・慢性不調の原因になることもあります。これは1種類の金属が口の中にあるだけでも起こりますが、やはり複数の異種金属が多ければ多いほど影響は大きくなっていると考えていいでしょう。
 
歯科金属でアマルガムは水銀を含み体に悪影響を及ぼすことは知られ始めてきましたが、このように保険診療で使われている歯科金属も人によっては体に悪影響を及ぼしている可能性があります。
 
重金属の解毒と腸内環境
 
特に私が分子栄養学をもとにした栄養療法をしていて感じることは、掌蹠膿疱症のような疾患を引き起こしている方は、今までのお話の通り口腔内にひとつから人によっては複数の金属があり、また腸内環境が悪いということが傾向性としてあると思います。特に便秘症の方は長く腸内に便が留まることによって、体に有害な重金属の排泄がスムーズに行われず、より一層重金属の悪影響を引き起こしやすくしていると感じます。金属の除冠時に一番金属に暴露されてしまいます。便秘や腸内環境の状態が改善されてスムーズな排便が毎日ある状態になってから徐冠するのがベストです。
また合わせて重金属の排泄を促すサプリメントや高濃度ビタミンC点滴も同時に行うと徐冠による悪影響を最小限に抑えられます。
 
 
 
また中には歯科用の金属アレルギーが原因とわかりつつもメタルフリーの材料に変えるのが経済的な負担ということでそのままにしているかたもいらっしゃいますが、やはりまずは仮歯(テック)に置き換えることをおすすめします。また表面的にはメタルフリーであってもコアと呼ばれる土台がメタルの方もいらっしゃいますので、金属アレルギーの方は土台からレジンなどのメタルフリーの土台に変えることをお勧めします。
 
重金属の蓄積については毛髪ミネラル検査。解毒機能については有機酸検査などでメチレーション回路(解毒を行うのに必要な回路)がうまく働いているかをみることができます。
 
金属アレルギーと必須ミネラル
 
私達の人体に必要なミネラルも金属です。特に亜鉛や鉄などにもアレルギーがある方もいらっしゃいます。サプリメントの摂取は慎重に摂取する必要があります。
 
金属アレルギー検査
 
一般的には皮膚科で行えるパッチテストが一般的です。多少体には負担がかかりますが、このような症状に思い当たる方はまずは検査を受けるといいと思います。