痩せたいのに太る人の栄養学1(アーユルヴェーダ編)

あなたの周りに「痩せたい。痩せたい。」といってどんどん太っていく方はいませんか?実はわたしのごく近親者にも該当する人は数名います。
そのような痩せたいのに痩せられない、かえって逆に太ってしまうという方々は共通する生活習慣や食生活をお持ちです。また生活習慣や食生活のように後天的、環境要因とは逆に生まれ持った体質というのも、少なからず影響しています。同じ食生活をしていても、ある人は食べても食べても太らず、もう一方の人は太ってしまうということは、よくあることです。

「痩せたいのに太る人の栄養学1」ではアーユルヴェーダの医学をもとに太る人の体質についてお話したいと思います。古代のインドでは血液検査やバイオロジカル検査などはないため、視診や触診、またその方の行動様式から得られる情報を読み取るのにたけているのは、間違いありません。

まずアーユルヴェーダの基礎知識としてトリドーシャという考え方があります。「ドーシャ」という言葉にぴったりくる日本語はありませんが、簡単にいうと「生命のエネルギー」「体質」といったところでしょうか。ドーシャは実は人以外にも物や時間や季節などにも存在し影響を与えあっています。「ドーシャ」は5大元素にも呼応しています。下記の絵も参照してください。

  1. Vata(ヴァータ) 
  2. 空・風→(性質)軽、動、冷,速、乾燥 (作用)異化作用、運動、運搬、伝達

  3. Pitta(ピッタ)
  4. 火・水→(性質)熱、鋭、軽、液、 (作用)代謝、消化作用

  5. Kapha(カパ)
  6. 水・地→(性質)重、冷、遅、油、安定 (作用)構造の維持、体力、免疫力、同化作用

 

分子栄養学観点からみる推測

 

  1. ①Vata(ヴァータ)
  2. 交感神経優位で筋肉量が少なく、食べても太れない。脂質代謝が悪そうで胃腸の働きが悪く消化機能低下。コレステロールや中性脂肪など軒並み数値が低、く低タンパク・低栄養。しかし低栄養で低エネルギーに気づかず、カフェインやスイーツでごまかしつつ、アドレナリンなどカテコールアミンをガンガンだしているパターンという推測。もちろん個体差はあるのでこれはあくまでも傾向性ととらえてください。ヴァータタイプの人でももちらんきちっとメンテナンスして自分のドーシャを踏まえたうえで、日常いろいろ気をつけていけば、ほかのドーシャとのバランスがよくなり、このような傾向性は薄まってきます。

  3. ②Pitta(ピッタ)
  4. 筋肉質でそこそこ体力はあるタイプ。わりと筋トレとかしてすぐに筋肉ついちゃう人です。なのでそこそこ胃腸機能もよく消化力があります。お肉もちゃんと食べられるタイプ。なので数値的にはそこそこいい値がでてそう。ただエネルギッシュなのでやはり交感神経優位タイプかなという推測。こちらもあくまでも傾向性です。

  5. ③Kapha(カパ)
  6. イメージ的には中年太りのおじさん、おばさん。なので数値は中性脂肪やコレステロールも高くAST/ALTの値も高そうで脂肪肝ありそうなので、どこかに慢性炎症ありそう。もちろん糖代謝もうまくいってなさそうなので、食後高血糖あったり、HbA1cの数値も高め。案外胃腸機能も悪くタンパク質食べられずに糖質や炭水化物にふれていそう。自律神経は副交感神経優位傾向で、お休みの日はいつも家でゴロゴロしながらおやつ食べちゃう。という推測


といった感じです。

 

生まれながらにして、だれでもこのトリドーシャはもっていますが、人によってこのドーシャのバランスは大きく違っています。また単一のドーシャということはほとんどありません。またご両親のドーシャの影響も強く受けます。なのである程度は、生まれた段階で自分のドーシャのバランスは決まっています。しかし両親が子供を産む準備をきちっとして栄養面などを整えてあげると、いいバランスのドーシャに近づけてあげることは出来ます。

また環境要因として、年代、季節、時間、生活習慣、食生活などでも常にこのドーシャは変化します

今日はこの中でも今回のテーマにのっとって、「Kapha(カパ)」のドーシャが多い人たちについて、お話していきます。

痩せたいのに太る人はアーユルヴェーダでいうカパの体質の人達です。構成要素(5元素)はカパの方は水・土(地)ですので、例えば水分を摂ってもため込む性質があります。また性質から見ても重い・遅いといったことからわかるように、行動もスローでゆっくりしています。またやはり運動もあまり好きではありません。また物事を考えるのも遅いといった傾向性があります。ジーッしているのがもともと好きなのでほっとくといつまででも寝ていたり、昼寝もしたりしてしまいますが、カパの人は本来早く起きるのがよく、昼寝もよろしくありません。遅起きや昼寝はカパのドーシャを増やしてしまいます。

また味覚の観点では甘いもの・酸味・塩味がカパのドーシャを増やしてしまいます。なのでこれは分子栄養学観点からも一緒ですが、カパの人には正しい糖質制限はあっていると思います。またアーユルヴェーダで唯一断食が許されているのはカパの人です。実はアーユルヴェーダではヴァータやピッタタイプの方へは断食は好ましくないとされています。

先日ファスティング(断食)のセミナーを受講しましたが、総コレステロール値が低い人や、やせすぎの人は向いていないというお話がありました。カパの人は総コレステロールや中性脂肪が高めの方が多いでしょうから、やはりそういった観点からみてもあっているのかもしれません。逆にもともとヴァータタイプのかたは、性質に異化作用があります。異化とは簡単にいうと体を壊すような働きに向かうことですが、断食をすると一層、異化傾向が強くなります。

またカパの方はヴァータタイプ同様、筋肉がつきづらいとされていますので、もともとは体力のあるカパの人は最大限の運動を行うことも推奨されています。またヴァータタイプの人も冷えていますが、カパの方も冷えがあります。なので体を冷やす生活や冷たいビールや飲み物は控えたほうがいいでしょう。

かかりやすい病気はアーユルヴェーダでは糖尿病・高血圧・喘息・咳・肥満・冠動脈性心疾患・浮腫・アレルギー性鼻炎・関節炎・抑うつなどがあります。

5大元素の水をもっているため、やはり粘液系の鼻水や淡といった疾患が目立ちます。またカパは心臓や肺、脊柱などの重要な器官をつかさどっていますが、カパが乱れるとこのような器官にもトラブルが起きやすいとされています。

カパの方たちには消化も助け代謝も上げるスパイスを食事に上手に取り込むといいと思います。

 

まとめ
(傾向)

  • 「痩せたいのに太る人」はアーユルヴェーダでは「Kaphaカパ」にあたります。
  • そもそも傾向性として運動や動くことが好きではなく、寝ることやゴロゴロすることゆっくりすることを好みます。
  • また食べ物の傾向性としても甘味(砂糖や炭水化物)を好みます。
  • また呼吸器や心臓などの器官が弱いとされています。

(対策)

  • とにかく運動しましょう。体を動かしましょう。
  • 正しい糖質制限をしてみましょう。時には正しい断食もしてみるのもいいでしょう。(専門のかたのアドバイスのもとで行ってください。勝手な自己判断で行うのは危険です)
  • 乾布摩擦などで水はけをよくし、自律神経を整え、呼吸器疾患を予防しましょう。
  • スパイスを取り入れた食事をしましょう。冷えがあるのでシナモン。また消化を助けるターメックもおすすめです。
  • からだを温めましょう。

 

今日はアーユルヴェーダの知識を取り入れつつ書いてみました。次回は「痩せたいのに太る人の栄養学2」分子整合栄養医学からみた傾向と対策を書いてみます。