見た目では解らないあなたのカラダ
先週札幌で久し振りに鶴 純明先生の講演会があったので行って来ました。
今回のテーマは「見た目では解らないあなたのカラダ」についてでした。
内容はメタボリックシンドーロームについてや食物繊維、噛むことの重要性などためになるトピックスでした。その中で脂肪について今日はご紹介したいと思います。
そもそも脂肪の働きってな~に?
- 飢餓に備えたエネルギー源
- 余剰のエネルギーの蓄え
- 衝撃から身を守る
- 体温の保持
- ホルモンバランスの調節
1~4までは皆さんもなんとなく認識されてると思いますが、実は⑤ホルモンバランスの調節という重要な役割があります。
間違った減量などで体重や体脂肪が減りすぎると、体の機能(ホルモン)が低下し様々な病気の発症につながります。
逆に過剰に蓄積された脂肪は体に悪影響を与えることになります。
BMI>25ではガンの発症率が上昇し、また女性では乳がんの発症率が上昇するという報告があります。
閉経した女性は卵巣機能がおち女性ホルモンが低下しますが、驚くことにその時期になると脂肪細胞で男性ホルモンから女性ホルモンに変換し分泌するようになるのです。
なので女性は中年になると太りやすくなるのは自然な体の機能ですし、またこの時期に少しふくよかな女性の方が更年期が軽くなります。(50歳前後)
少し話は脱線しますが乳がんはビタミンB6の不足とも関係しています。
例えば血液検査でGOT16 GPT9 の女性は乳がんのリスクが高い患者さんといえるでしょう。この値の開きはビタミンB6不足をあらわしています。ビタミンB6はエストロゲン代謝に関係してるためビタミンB6が不足しているとこのホルモンを代謝しずらいことになります。ビタミンB群をしっかり補給しましょう。
またイソフラボンはアゴニスト(作用剤)、アンタゴニスト(拮抗剤)としての働きがあります。大豆に含まれるイソフラボンのエストロゲン様作用と乳がん細胞に対する増殖抑制作用から場合によりエストロゲンのアゴニスト。またアンタゴニストとして更年期障害の予防としても有用です。
話を元に戻して脂肪細胞が過食、運動不足、加齢などにより脂肪細胞が肥大すると様々な障害が起きてきます。
- インスリンの働きを悪くするTNFーαが上昇します。これは歯周病があってもでるので歯周病も肥満と同様、糖尿病の増悪因子になります。(インスリンの効きをよくするにはクロムをしっかりとること)
- 血圧を上げる
- 血栓を作る
- 動脈硬化を促進させる
- インスリンの働きを高めたり血管を修復する働きが低下する
- 食欲をおさえる働きが低下する
これらを改善するには運動して筋肉をつけ基礎代謝をあげ、よく噛んで食べる事で過剰な食欲を抑えましょう。