冷え性・寒がりの原因は何か? パート1

冬が終わって春を迎え徐々に温かい日が増えてきましたが、体の冷えを訴える女性は本当に多いなーと感じています。

書籍でも冷え取り対策の本は沢山出版されていますが、それほど多くの特に女性が冷えに悩まされているということでしょう。

やはり冷えの一番の原因は血流障害だと思いますが、なぜ血流障害が起こっているのかについて、分子栄養学的に考えてみたいと思います。赤血球とは酸素を運ぶタンパク質のトラックですが、この赤血球を作るには様々な栄養素が体の中で必要なのは下記の図をご覧になっていただけると、お分かりかと思います。

冷えを訴える患者様の血液検査の結果はいくつかのパターンに分類されると思います。

①鉄欠乏性貧血

よく採血の項目でみかけるヘモグロビン(Hb)とはヘムと呼ばれる鉄グロビンと呼ばれるタンパク質からできています。これは酸素と結合する特性を持っていて、血液が赤いのはこの鉄をもったヘモグロビンがあるからです。また酸素をいっぱいくっつけたヘモグロビンほど鮮やかな赤い色をしていてこれは動脈血と呼ばれ、反対に体の細胞から出た二酸化炭素を運んでいるヘモグロビンは少し黒っぽい色をしていて静脈血と呼ばれています。

このヘモグロビンは貧血のマーカーとして一般的によく使われていますが、実はこのマーカーだけでは、潜在的な貧血を見逃してしまうケースがよくあります。なぜなら血液中の水分に脱水状態が起きている場合、血液そのものが濃くなってしまい実際の数値より高くでてしまう数字のトリックが起きていることがわりと頻繁に起こっているからです。

鉄欠乏性貧血の方は鉄不足やタンパク質不足がありこのヘモグロビンをうまく作ることが出来ません。その結果、赤血球の大きさが適正な大きさよりも小さくなってしまい、酸素を運ぶ能力が落ちていき体の隅々まで酸素が行きわたりずらくなります。血液検査の項目で赤血球の大きさはMCVという項目で見ることができます。

適正なMCVの数値は90くらいですが、これよりも小さい数値の場合は鉄欠乏性貧血を疑ってもいいかもしれません。ただしやはり血液数値の読み取りにはかなりの経験値が必要ですので、この数値だけで判断するのではなく、もちろん他の項目と総合的に判断する必要があります。

赤血球が小さくなってしまうと赤血球と血管の触れている表面積が小さくなり酸素をうまく細胞に届けることができません。

ただし鉄欠乏やたんぱく不足があったからといって、安易の鉄分やタンパク質を補給すれば治るという簡単にいかないケースも多くあります。

鉄の吸収・利用を阻害する因子として以下のようなものがあります

①ピロリ菌感染

②炎症

③低胃酸

④腸内環境の悪化

⑤重金属の蓄積(歯科材料のアマルガムなど)

また慢性的な鉄欠乏性貧血の方ほど自覚症状に乏しいということがよくあります。体自体が長年の酸欠状態になれてしまい、また心臓がその分,働かされ脈が速くなっていたり、心臓そのものが肥大してるケースもあります。

 

②大球性貧血・悪性貧血

この貧血は赤血球を成熟させるために必要なビタミンB12や葉酸の不足によって起こります。DNAの合成が障害され正常な赤芽球が産生されず、適切な大きさにまで分化することが出来ず、赤血球が通常の大きさよりも大きい形態になっています。

さきほど述べたように赤血球の大きさはMCVという項目で推測することが出来ます。一般内科的な診断基準では102以上もしくは保険適応でビタミンB12の注射や点滴が受けることが出来るのは、もっと大きい数値でなければなかなか診断されず、また治療が適応されません。

ところがだいたいMCVがこの基準値を超えなくても100に近い97、98、99、といった方にも既に潜在的に様々な症状が現れ始めていることを、よく見受けます。そのよくある症状の一つが「冷え」なのです。とくに「抹消部の冷え」を強く訴えることが多いと思います。

赤血球の大きさが通常より大きくなってしまったために、末梢の毛細血管のような細い血管にスムースに酸素を運べないことによって起こります。

ビタミンB12は特に動物性のタンパク質、特にお肉に含まれています。ですので食事としてお肉をあまり召し上がらない方は徐々にB12不足が体の中で起こってきます。

B12,葉酸が不足しやすい人たちをあげてみました。

①お肉を食べないもしくは野菜ばかり食べる

②胃の状態が悪い(ピロリ菌感染・萎縮胃・低胃酸・胃酸抑制剤の服用・胃切除など)

③ピルの服用(ビタミンB群吸収阻害)

④アルコールを常飲する

どちらの貧血のタイプであっても口腔内の特に舌に異常を呈することがあります。また個人差もありますので、貧血であっても口腔内に症状が出ずらいかたももちろんいらっしゃいます。舌に現れる栄養不足の症状はこちらをご覧ください。

少し長くなりましたのでこの続きは次回「冷え性・寒がりの原因は何か?パート2」に続きます。