重金属検査

栄養療法の効果を感じない時に考える一つの要因に有害金属の蓄積があります。

特に日本人の体内水銀量がダントツに世界一多いことをご存じでしょうか。

私達がさらされている毒素は数百万種に及びます。

全ての慢性疾患や老化現象に関係しています。

さらに、将来の自分と次世代に残されてしまうのです。

水銀には、無機水銀、エチル水銀、メチル水銀などがあります。
  •  無機水銀の代表は歯科金属の充填物(アマルガムなど)
  • エチル水銀は予防接種液中(インフルエンザワクチンなど)
  • メチル水銀は海産物
 

体内においてはこれらの水銀は、無機水銀からメチル水銀へ、またメチル水銀から無機水銀へも変化することがわかってきました。

栄養療法は根本原因にアプローチする医療として大変有効ですが、中には栄養療法を行ってもなかなか改善しない患者さんがいらっしゃるのも事実です。

まずは消化吸収に問題があるケースがほとんどですが、次に考えなければいけないことは重金属の蓄積です。

水銀といえば日本では「水俣病」がありましたが、この時も同じ食材を食べてもほとんど症状の発症がなかった人もいました。これは肝臓での解毒回路(葉酸回路、メチレーション回路など)の能力には遺伝的に個人差があることや、水銀と置換する亜鉛が体内に存在する量にも関係しています。

消化に問題がある方は胃酸が不足しており、その結果胆汁の分泌が低下していることがあります。その結果当然腹痛・胃もたれ・便秘などの消化器の症状があると同時に、有害金属の一番の排泄経路である血液→肝臓→胆汁→便の流れが滞り、結果としてうまく有害金属を排泄できない結果、蓄積した様々な有害金属が身体の代謝に異常をきたし、疲労・精神障害・不眠・貧血など様々な難治性や慢性的な病気を作り出すもとになります。
消化・吸収の腸内環境改善と共に重金属の排泄も考慮する必要があります。

ところが今までは、体の負担が少ないデトックスシステムがありませんでした。そのため実際にデトックスを行うことにとても抵抗がありました。


Quicksilver Scientific社のデトックスプロトコールは、体への負担が少なくとても有効だということがあり当院でも導入をはじめました。

特に歯科業界では歯科医師サイドも患者様サイドも歯科金属の暴露が多い状況です。
この有害金属の解毒は今まで栄養療法を行ってもなかなか改善が見られなかった方に対して是非検討するべきことです。
またしっかりと自身の排泄能力や有害金属の蓄積を知る必要があります。そのために大変有効なのが、水銀テスト(トリマーキュリー)です。

従来の毛髪検査だけでは実際の重金属の蓄積量を知ることができませんでした。
また治療目標も非常にあいまいなものでした。この検査では重金属の解毒能力・蓄積量・治療目標を知る画期的な検査です。

 

トリマーキュリー検査(重金属検査)

トリマーキュリー検査(重金属検査)はメチル水銀の蓄積(排泄)を毛髪、無機水銀の排泄を尿中、そして体内中の水銀を血液から調べ、それぞれの水銀の体内蓄積量と排泄能力を調べる検査です。
また毛髪からはミネラルバランスの異常からも水銀の影響を読み取ります。水銀の関係する疾患は非常に多彩ですが、特に筋疾患と神経疾患、自己免疫疾患、動脈硬化症、発達障害には密接に関わります。

※水銀トリテスト(トリマーキュリーテスト)は水銀種別分析を用いた臨床検査です。
 
先進の特許分析技術によりメチル水銀(MeHg)を無機水銀(Hgll)から分離し測定します。
 
血液・尿・髪をサンプルに測定検査を行い、全身における影響・水銀曝露源・水銀の各形態に対する体の排出力を算定します。
 
Quicksilver Scientific社の検査機器は定常状態での測定に十分な感度を備えているため負荷検査を実施する必要がありません。詳細な検査結果に基づいた合理的なアプローチ・計画策定にご利用いただき、皆様の解毒治療にお役立てください。
 
 
 

 

チャレンジテストより安全性の高い水銀トリテスト

 
1990年代、分析機器の感度は定常状態での血中水銀レベルを測定できるほど発達していませんでした。
そのためチャレンジテストやプロボケート(誘発)テストと呼ばれる、尿を分析するためにDMSA やDMPSのような高容量の強力なキレート剤を使用し有機細胞構造から水銀を引き出すテストが開発されました。
診断の前提として個人の総水銀量を提示し、長期的な水銀の負荷量との相関関係を立てる、という方法で行われており当時は臨床的に適切であるとされていました。しかしその後の技術および臨床研究によってチャレンジテストは信頼性が低く、患者を傷つける可能性があることが実証されました。
 

 

チャレンジテスト実施におけるリスクと欠陥

  • 総水銀のみが測定される―メチル水銀と無機水銀の種別がない
  • 水銀の体内負荷量が検査結果に反映されない
  • テスト実施における条件や使用する化合物について標準化されていない例として 
    DMPSの強度と特異性はDMSAのそれとは大きく異なる
    点滴投与vs.経口投与では薬物動態が多いに異なる
    EDTA、グルタチオン、グリシン等の補助剤を使用するとテストにおける動態や結果が大幅に変わる
  • チャレンジテストに対して参照可能な「無負荷」テスト範囲が存在しないため過剰治療をまねく恐れがある
  • 脳を含む臓器への水銀の再分配が起こる可能性がある
  • 個々の患者の排泄能力については明らかにされない
  • 腎臓病患者においては検査結果に歪みが生じる場合がある(無機水銀(Hgll)において一般的)

 

当院での取り扱い

当院では米国QUICKSILVER SCIENTIFIC(QSS)社独自の水銀検査、有害・有益ミネラル検査を行っております。体内の水銀は全身に悪影響を及ぼしますが、水銀が魚介類由来なのか歯の詰め物やワクチンが由来なのかを調べる必要や、水銀の排泄能力がどれだけあるかを調べる必要があります。今まで日本で行われていた水銀の検査では、これらのことが全く分からずに不正確といえるものでした。
QSS社のトリマーキュリーテストでは世界で唯一水銀の由来と排泄能力が同時に検査できます。同時にブラッドメタルパネルを行うことにより、血液中の有害ミネラル・有益ミネラルの過不足も診断が可能です。
QSS社には世界中から検体が集まってくるのですが、日本人の水銀汚染がすべての年代において世界一著しいことが明らかになっております。

 
 
 
ブラッドメタルパネル
 
ブラッドメタルバネル(Blood Metals Panel)は、全16種類の元素をスクリーニングし、全血中における曝露レベルおよび不均等を明らかにします。

分析には最先端の技術:誘導結合プラズマ/質量分析法を用いています。
スクリーニング対象の8つの栄養素にはカルシウム・銅・リチウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・セレン・亜鉛が含まれます。

スクリーニング対象の8つの潜在的毒性を持つ元素はアンチモニー・ヒ素・カドミウム・コバルト・鉛・水銀・銀・ストロンチウムです。

またブラッドメタルパネルではCa/MgおよびCu/Znの比率を測定しますが、その値が不均衡であると重金属毒性の発言として臨床症状が現れることがあります。
 
 

 

お勧め書籍

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