夏野菜トマトやナスとカンジダ菌の関係
夏野菜がお美味しい季節になってきました。手軽に自家菜園できる野菜としてトマトやナスは初心者にも育てやすい野菜の一つかもしれません。我が家でも今年、庭にトマトとナスを植えてみました。以外にも立派なトマトとナスが育ちました。今回はトマトやナスに多く含むシュウ酸とカンジダ菌の関係についてまとめてみました。
カンジダ菌とは誰にでもいる日和見菌の一種ですが、これが過剰繁殖してしまうと様々な体調不良を起こす原因になります。カンジダ菌が過剰繁殖するとリーキーガット(腸もれ)と呼ばれる病気の原因になります。
リーキーガット・カンジダ菌については詳しくはこちらをご覧ください。
どんな人にカンジダ菌が増殖するか?
○糖質の摂取量が多い人
○抗生物質を頻繁に服用する人、もしくは過去に服用していた既往がある人
○アルコール摂取量が多い人
○免疫力が下がっている人
○小麦や乳製品の摂取が多い人
などがあげられます。
またカンジダ菌が過剰繁殖している人の症状は実に様々ですが、主要な症状を下記にあげてみました。胃腸症状から全身症状まで実に様々なものがあります。
「胃腸症状」
○お腹が張る
○便秘や下痢
○ガスが臭い
○腹痛
○すぐに満腹感がでる。空腹感がない。 など
「全身症状」
○身体にかゆみがある
○湿疹がでる
○アレルギーがある
○頭に霧がかかったような症状がある
○集中力がない
○膀胱炎や前立腺炎、膣炎
○砂糖や小麦製品が無性に食べたい
○化学物質過敏症
○水虫
○フケが多い
など
このような症状に当てはまることが多い人はカンジダ菌の過剰増殖を疑ってもいいかもしれません。
またしっかりと検査してみたい方はIgGフードアレルギー検査や有機酸検査、総合便検査などをすることをお勧めします。
カンジダ菌の過剰増殖を抑えるためには、まずは食生活の改善が必須になります。カンジダ菌の餌は糖ですのでやはり糖質の摂り方などは専門医に相談して正しく改善する必要があります。あまりに厳格な食事制限をすると食べるものがなくなってしまい、かえって体力を損ね免疫力が落ちてしまうケースがありますので、自己流のカンジダ対策の食事は注意が必要です。
以前私自身が分子栄養学に出会う前に、口腔カンジダが発症してしまった時、厳格な食事制限をしすぎてしまい、1ヶ月に7、8キロも体重が落ちてしまいかえって症状を悪化させてしまった経験があります。体力や免疫力を落とさずにカンジダ除菌をする必要があるのです。
糖質摂取は気をつけなければいけませんが、糖質の中でもわりと大丈夫なお米です。逆にすぐに血糖値の急上昇をもたらすブドウ糖果糖液糖や白砂糖のようなものは特に摂取を気をつけなければいけません。
少し話が脱線してしまいましたが、今日は夏野菜のトマトやナスの話でしたので、話を元に戻します。
トマトやナスにはシュウ酸という有機酸が多く含まれています。この夏野菜以外にも下記のものがシュウ酸を多く含む食材です。
シュウ酸を多く含む食材
○トマト
○ナス
○ほうれん草
○オクラ
○里芋
○さつまいも
○小松菜
○山芋
○たけのこ などまだまだあります。
尿中のシュウ酸を減らすにはマグネシウムが有効であったり、またカルシウムは腸の中でシュウ酸と結合し便と一緒にシュウ酸を体外に出す働きがあります。また調理法としてシュウ酸はアクの中に多いので茹でたあと流水処理をすれば少しは減らすことができます。
有機酸検査をすることによってカンジダ菌の代謝産物、アラビノースや酒石酸、シュウ酸などのマーカーをみることによってどのくらいカンジダ菌が過剰増殖しているかみることができます。
下記の画像はシュウ酸カルシウムの結晶
シュウ酸はシュウ酸カルシウム結晶になると針状のようになります。こんな経験はありませんか?
例)山芋や長芋などを触った時チクチク痛痒い
例)パイナップルを食べた時口の中が痛くなる
これらはシュウ酸カルシウムになった結晶によって痛みが起きています。
自閉症児やPDDを持つ子供に低シュウ酸塩の食事を与えたところ集中力がアップし、落ち着き、痛みが減ったりしたという論文もあります。
自閉症スペクトラムの子供たちは有機酸検査などすると明らかに健常な子供よりも、特異的な有機酸が検出されることが多いと言われています。その代表的なものがアラビノースや酒石酸、シュウ酸などです。つまりこのような子供たちは腸内環境が悪くカンジダ菌が過剰繁殖していることが予想されます。
シュウ酸によってもたらされる影響
○シュウ酸が体に多く蓄積してしまったこのような子供たちや、またカンジダ菌の過剰増殖が起きている人は体の各組織に結晶が蓄積しチクチクするような痛みを引き起こします。その結果子供の場合い目がチクチクする場合などは目を自分で叩いたりするようなケースも起こり得ます。
○シュウ酸はカルシウムをはじめとしたマグネシウム・亜鉛などと結合し吸収を妨げる可能性があります。
○シュウ酸は強力なキレート剤で重金属と結合し細胞組織にとどまり解毒を妨げる可能性があります。
シュウ酸対策
○腸内環境改善、カンジダ菌の抑制のため単純糖質やアルコールなど食生活を気をつけ乳酸菌をはじめとした腸内環境をサポートする必要があります。
○カンジダの過剰増殖が考えられる場合はシュウ酸の多い食材はなるべく控える、もしくは茹でるなどしてシュウ酸摂取量を抑える。
○クエン酸マグネシウムを摂取しシュウ酸吸収の予防をする。
○牛乳などのカルシウム食品は排泄を促しますが、腸内環境が悪い方にはあまり乳製品はお勧めできません。しらすや小魚と一緒に料理する。
シュウ酸が有機酸検査などで多い場合は以下の由来を考えましょう。
1、食事由来 シュウ酸含有の多い食材をとっている
2、コウジ菌 アオカビ カンジダのような真菌由来
3、人体内の代謝
またトマトやナスはナス科に属しています。ナイトシェード(ナス科 イヌホオズキ)と呼ばれています。
ナス科に含まれるいくつかの天然の化合物が問題になります。サポニン類・レクシチン・カプサイシンです。これらの化合物がナス科への食品アレルギーを引き起こしたり、リーキーガットのような腸の炎症を誘発させます。
シュウ酸の側面からみても、サポニンやレクシチンなどの天然の化合物の側面から見てもお腹の調子が良くないかたは摂りすぎに注意が必要ですね。
「GPL所長ウィリアム・ショー博士のシュウ酸に関する発表」参照