口腔粘膜に必要な栄養素

歯科医をしていると頻繁に義歯調整をすることがありますが、1.2回の調整でだいたい痛みがとれて食べられるようになる人もいれば、中には毎週調整してもなかなか痛みがとれない患者さんもいらっしゃいます。

 

もちろん元々の義歯の適合状況もありますが、
栄養面からみると歯肉の厚みにも関係しています。

 

私の経験上やはり痛みが出やすく歯肉が傷つきやすい患者さんは歯肉がとても薄くなっています。

 

歯槽骨と義歯との間にクッションの様な役割をする歯肉ですが、この歯肉がうすいと直接歯槽骨のうえに硬い義歯がのるわけで、痛みが起きるわけです。

 

ではなぜ歯肉が薄くなってしまうのでしょうか?

それはタンパク質が足りていないからなんです
私たちの体は歯肉以外にもありとあらゆるものが、タンパク質を原料にできています。

 

髪や爪、皮膚、粘膜などタンパク質なくしては作られません。日々のタンパク質摂取量が足りていないと徐々に完全な髪や爪や皮膚、粘膜がつくられなくなり、髪はハリがなく抜け毛がふえたり、爪もわれすく弱くなります。そして皮膚も荒くなりすぐに湿疹がでたり、傷の治りがおそくなったり。歯肉ももちろん厚みがなくなってきます。

 

口腔粘膜というのは体の中でも非常に細胞の入れ替わりが激しい場所で栄養欠損の結果、もしくは栄養を補充した場合効果も出やすい場所です。

何か口腔の粘膜あるいは舌に異常が出た場合、栄養欠損もまず疑ってみるべきなのです。
栄養療法は少し時間はかかりますが、口腔粘膜だけではなく、同時に皮膚、髪、爪さらには体で作られる酵素やホルモンもタンパク質からできていますから、

根本的な体質改善ができ、体調も整ってきます。

 

タンパク質不足が一番出やすい場所は爪や手荒れ、舌のなどが自分でも確認しやすいと思います。