タンパク質のジレンマ

今日はタンパク質の摂取の仕方について書きたいと思います。
私もそうでしたが分子整合栄養医学に出会った当時は低タンパク、低コレステロールと診断されました。
食事の改善やプロテインの摂取を勧められましたが、ここで一つ気をつけなければいけないことがあります。

 

「低タンパクの人であればあるほど、タンパク質を消化するのが大変だ」ということです。
例えばタンパク質50グラムを消化吸収するには消化酵素50グラムが必要なのです。この消化酵素も勿論タンパク質でできているため、長年菜食主義やあまりお肉を食べていなかった人はこの消化酵素が十分に分泌されません。
そのため体はタンパク質を必要としているのに、突然お肉を食べたりプロテインを摂取すると消化不良をおこし膨満感や便秘、ガス腹などなど違う不調に悩まされてしまうのです。
しかしここでタンパク質を摂る事をあきらめ消化しやすい炭水化物や野菜がメインの食事に戻してしまうと、栄養不足は改善されず、また様々な病気の引き金になってしまいます。
これがタンパク質摂取のジレンマです。

 

それではどうしたらいいのでしょうか??

 

まずはタンパク質量を一気に改善しようと思わず、今までの食事の中にタンパク質の割合を増やしていくといいと思います。
まずは朝食に卵をひとつたしてみたり、パンやパスタなど麺類だけなどの炭水化物しかないような食生活を改め、3食に何がしかのタンパク質をとるように心掛けてください。ここであせってお肉ばかり食べる事はお勧めできません。
もちろん動物性タンパク質のお肉はミネラルやビタミンなどが多く含まれますが、消化しやすいのはやはりお魚のほうなので、お魚でタンパク質を補給しつつ胃腸の調子が問題なければお肉も少しづつ取り入れていきましょう。
卵はお肉より消化しやすくビタミンミネラルも豊富なので卵もおすすめです。なるべくいい卵をたべましょう。
なお生卵はあまりお勧めできません。卵白のなかにビタミンKの吸収をさまたげるものが含まれていることと、アレルゲンにもなります。特にお子さんには白身は火をしっかり通した卵の方がいいでしょう。

 

またストレス時やピロリ菌感染による萎縮胃の人は胃酸分泌が悪くタンパク質を消化するのが大変です。
自律神経のバランスを整えつつ消化酵素、スペクトラザイムなどをもちいて消化を助ける事をおすすめします。
プロテインもまずは少量からはじめなるべく少量頻回にして時間をかけてゆっくり摂取することが望ましいです。
そのため妊娠授乳期を除きタンパク質量が体に増えてくるのには時間がかかります。
妊娠、授乳期はなるべく赤ちゃんのために栄養を吸収しようとして吸収率があがります。
そして必ず食物繊維の野菜、きのこ、海草なども取り入れつつ、腸内環境を乱さないことが重要です。
タンパク質の消化力はとても個人差が大きく一概に同じアドバイスはできません。状況をみながら定期的にアドバイスを受ける事が必要です。