アトピー性皮膚炎へのアプローチ 1


今日は皮膚トラブルについて書いてみたいとおもいます。

皮膚疾患の中でもやはり皆さんが一番耳にするのは「アトピー性皮膚炎」だと思います。乳児のころから発症し大人になるまで症状がある方や、逆に大人になって発症される方、また症状が落ち着いてみたり再発してみたりする方もいらっしゃると思います。またその治療法を求めて多くの患者様がどうしていいか分からずにいる。という現状もあるでしょう。実は私の次男も生後1歳前後のころ皮膚科で「アトピー性皮膚炎」と診断されたことがあります。当時はまだ分子栄養学に出会う前でしたので、肌を痒がる我が子を抱えて皮膚科を受診しました。その時に皮膚科の医師から言われた言葉が「湿疹を出しっぱなしにしておくから治らないんだよ。ステロイドを使って湿疹を出させないようにすれば治ってくる。」というこようなことを言われたことを思い出します。何か腑に落ちないものの他の治療法も知ることなく漫然とステロイドを塗っていました。しかし母心としてやはりステロイドをこんなに小さい赤ちゃんに塗りたくはない。という気持ちもありました。その後まもなくして分子栄養学に出会い、私は息子のアトピーに対し奇跡的に違うアプローチが出来たことにより、今ではすっかり綺麗な肌になっています。私が奇跡的にと書いたのは、多くの患者様が何か他の治療法はないかと探りながらもなかなかその別の代替医療に出会うことができなく困っているのではないかと思ってるからです。

「アトピー性皮膚炎」は皮膚の乾燥・バリア機能の異常・免疫異常が原因とされています分子栄養学的アプローチとしてのキーは「炎症抑制」と「免疫正常化」です。アトピー性皮膚炎におけるステロイド療法は確かに「炎症を抑える」という観点からみると大変画期的な治療法です。またそのおかげで痒みがひどく眠れないなどの病態を抑え込み、急性期の抗炎症作用としては大変すぐれたものかもしれません。ところがもう一方では、皮膚の本来もっているバリア機能をさらに損なってしまう。というデメッリトがあるんです。そのため一時的には炎症は収まるが、バリア機能がどんどん破綻していくので症状は塗っても塗っても悪化していく傾向にあるんです。その先に待っているのがどんどん強いステロイドじゃないと効かなくなってしまう。ということなんです。

また世の中には「脱ステロイド」をうったってる治療法もありますが、突然脱ステロイドを行うとリバウンドがきてしまうんですね。人間の体でも実は天然のステロイドホルモンが副腎で作られています。ところが長期でステロイドを使用されている方は副腎疲労をおこしてしまっています。特に生後間もない赤ちゃんや幼児では副腎が発達段階にあるときに外からステロイドが使われてしまうと副腎の発達が悪くなります。その結果天然のステロイドホルモンを十分量つくる事が出来ずに、その結果炎症を抑えられないという悪循環が起きてしまいます。当院に副腎疲労で来院される方の多くは既往にステロイドを長期もしくは強力なものを使用したことがある患者様が多いです。なので栄養療法の視点からみると突然の脱ステロイドはやはりリバウンドが起きやすくかなりリスクもともなっているように感じます。

まず「皮膚のバリア機能を上げる」ということを考えてみましょう。このブログで何度も出てきていますが皮膚も粘膜も爪も髪も人間のすべてはタンパク質をもとに作られています。そして皮膚のコラーゲンは「タンパク質・鉄・ビタミンC・亜鉛」を原料にできています。つまり皮膚をつくるうえでまずこの材料が足りてない人はより皮膚が脆弱になってしまうのです。「低たんぱく・貧血・ビタミン、ミネラル不足はないか?」まずチェックしなければいけません。ふたたび次男の話に少し戻りますが当時アトピーと診断されたころやはり次男は低たんぱくに重度の貧血があったんです。子供の場合はなかなか採血をする機会もないかと思いますが、だいたいお母さんの栄養状態と同じような結果がでてきます。妊娠前・妊娠中・授乳中などお母さんが低栄養ではなかったか?というところが大変重要になってきます。またどうしても離乳食に切り替わるころ低栄養になりがちなので赤ちゃんのアトピーには場合によっては粉ミルクを併用し栄養を補ってあげる必要があるかもしれません。一般内科ではまずこのような項目を指摘されることはありませんので約70項目にわたる分子栄養学にもとづいた採血をして自分の身体に不足している栄養素はないかをまずチェックすることは非常に重要です。
またコレステロールは高いことだけが目の敵にされていますが、実は低すぎるのも十分注意が必要です。コレルテロールをもとに体はステロイドホルモンを作りますので、やはり低コレステロールの方は炎症を抑えることが難しくなってきます。そしてコレステロールもまたタンパク質からできているのです。

また「皮膚の保湿機能をあげる」という側面ではセラミドを生成させることが必要です。セラミドとは細胞と細胞でスポンジのように水分や油分を抱え込んでいるような存在(細胞間脂質)です。簡単にいえば潤いを与えてくれるものです。アトピー性皮膚炎のかたはもともとこのセラミドが少ない傾向にあります。セラミドを生成させるためにはマンガンやビタミンB6そしてよく眠ることが必要です。よく眠っているか?というのも非常に重要な側面です。人間の身体は起きているときは脳にその大部分の血液を最優先で回さなければいけません。そして食べ物を消化・吸収するために私たちの知らないところで絶え間なく臓器に血液を送り込んでいます。なので当然起きている間は皮膚表面は後回しにされるわけです。そして睡眠中はじめて皮膚にまで十分な血液が巡ってくるわけです。睡眠中は皮膚に限らず様々な場所の修復時間なのです。

次に「抗炎症」について考えてみましょう。最近マスコミでも盛んに取り上げられていますか、毎日どんな油をとるかということは「炎症」について考えるとき重要です。フィッシュオイル(EPA/DHA)やえごま油、亜麻仁油などは炎症を抑える働きをします。なのでエスキモーの人たちにはアトピーや喘息といった疾患をもってる人たちはほとんどいないんです。それは彼らがアザラシなどの魚をたくさん食べている動物の肉を常食としているからなんです。アザラシの肉には大量にEPAが含まれているんですね。このような油には炎症を抑える働きがあります。

次回は「免疫機能の改善」について書いていきます。