不登校の子供達にアプローチしたい栄養の話

今日は不登校の子供たちにアプローチしたい栄養の側面からの話を書きたいと思います。

近年昔より学校に行けない子供たちが増えていると耳にしますが、イジメられているわけでもないのに、ご家族もまた本人さえも原因がわからない場合があると思います。多くはこのような場合心理的な側面だけがフォーカスされ心理カウンセラーさんのもとを訪れる方も少なくはないでしょう。

今回は栄養の側面から子供達にどのような心と身体の不調が起きているのか、考えてみたいと思います。

「学校に行けない」子供達のヒアリングをしてみると、疲れる。大勢が苦手。勉強についていけない。朝起きられない。なんとなく。などなどがあるかと思います。

分子栄養学の側面から考えるといくつかの条件が重なってくると、学校に行けない状態に繋がってきてしまうように感じます。

1.血糖値の乱高下(糖代謝異常)

2.  鉄欠乏性貧血

3.副腎疲労

4.ビタミン・ミネラルの欠乏・低たんぱく

5.最終的な引き金となるストレス

など

もちろん根深く精神面に問題を抱えているお子様もいると思いますが、どんなお子様であってもまずは、上記に書いた問題点を一つずつ解消していくことが重要だと考えています。なぜなら、今までのブログでも取り上げてきたように、「栄養と精神」は密接に関係しており栄養状態の悪化がその人の思考回路までにも影響を及ぼしてしまうからです。一つの事象に対して、物事の受け止め方、深刻度が変わります。要は栄養不足は基本的にネガティブ思考・自信のなさ・不安を掻き立てます。

ただこんなことをよく聞かれます。「学校にきちっと行けている同級生も同じような食生活をしているのに、どうして自分だけが不調になってしまうのでしょうか?」

まさにここが分子整合栄養医学でいう「個体差」なのです。血糖値のことを例にとってみても、糖尿病家系の方はやはりインスリンの効きが悪かったり、血糖値の調節がみんなと同じものを食べていても血糖値の乱高下をひき起こす確率が高いのです。

1.血糖値の乱高下(糖代謝異常)

クリニックでは行き場をなくした患者様が栄養療法を受けてみたいということで、来院されるケースもありますが、私の現在の見解では糖尿病やまたその予備軍と呼ばれているご家族をお持ちなお子様にメンタルトラブルを起こすケースが多いように思います。

血糖値の調節がなかなかうまくいかない場合、日中、もしくは寝ている夜間でさえ血糖値の調節異常が起こります。血糖値がアップダウンを繰り返している方は、大人であればコーヒーなどのカフェイン飲料の摂取が増え、また甘いものへの欲求が強くなります。こちらの詳細は過去のブログに書いてありますので、こちらをご覧ください。

メンタルトラブルがある方、また今日のテーマのように不登校になってしまう子供たちは、朝起きるのが辛くて、朝食は欠食もしくはパンとヨーグルトのみ、野菜ジュースなどきちっとした栄養をとれないケースが多いです。またこのような食事は血糖を急上昇させ、その後過剰に急上昇した血糖はインスリンの働きによって急下降します。食直後、血糖値が上昇している間は不調を感じる方は少ないですが、問題は食後1時間前後から急速な眠気・脱力感・うつ・気分の落ち込み・頭痛・集中力の低下など様々な不調に見舞われます

勉強に集中できない、頭がボーっとする。頭痛といった症状がある方、また上記に書いたような食事の摂り方をしている方はこのような症状に当てはまる方が多いのではないでしょうか?

2.鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血に関しては特に月経がある女性はいつもこのリスクにさらされていますが、成長期である子供達も成長による栄養需要の高まりで鉄欠乏性貧血を容易に起こしやすい時期になります。特に女の子は初潮がはじまる小学校の高学年から中学生にかけて、また男の子も身長が急激に伸び始める中高生がとても鉄欠乏性貧血に陥りやすい時期です。特に部活などハードなスポーツをしているお子様は要注意です。しっかりと成長・スポーツに見合った栄養を補う必要があるのです。

鉄欠乏性貧血による不調について詳しくはこちらのブログに書いてありますので、こちらをご覧ください。鉄欠乏性貧血の症状は単なる立ちくらみやめまいだけではなく、メンタルの不調もきたします。

とくに牛乳の過剰摂取をしている、また動物性たんぱく質の摂取量が少ない、胃腸機能が弱く下痢や便秘をしているこのような方は特に鉄欠乏性貧血がすすみます。

3.副腎疲労

長期にわたるストレスや上記に示した血糖値の乱高下、鉄欠乏性貧血によるエネルギー不足、ビタミン・ミネラルの不足、睡眠不足、慢性炎症など様々に要因から副腎疲労を引き起こします。

副腎の主要な働きとして

1.血圧を上げる 2.血糖を上げる 3.体温を上げる

他にも様々な働きがありますが、上記の理由により副腎の機能が落ちてきた場合

1.低血圧 2.低血糖 3 低体温

という症状になります。一般的には「起立性調節障害」とか「自律神経失調症」などといった病名がついてる方も少なくはないと思います。

「起立性調節障害」は起立時にめまい・動悸・失神などの自律神経の機能失調として定義されていますが、この背景には・低血糖症状・鉄欠乏性貧血・副腎疲労があっても同様の症状が起きるのです。

このような症状を引き起こす「副腎疲労」については過去のブログに書いてありますのでこちらをお読みください。

4.ビタミン・ミネラル不足・たんぱく不足

鉄だけではなく、その他重要なビタミン・ミネラルまたタンパク質と重要な栄養素はあります。

マグネシウムには様々な酵素の働きに関わりエネルギーを作り出したり、またメンタルの不調にも関与しています。マグネシウムについて詳しくは過去のこちらのブログをご参照ください

また糖質が多い方は糖代謝にビタミンB群が必要ですので、結果的にビタミンB群不足に陥ります。その結果ビタミンB群は糖代謝・脂質代謝・タンパク代謝に関与していますので、上手くエネルギーが作れないということになります。またビタミンB群もメンタル症状と関連が深く、情緒不安定の方は傾向として、ビタミンB群が不足していることが多いです。

5.引き金となるストレス

どの病態であっても最終的には何か引き金となるストレスがあります。特に短期的なストレスより、先が見えない長期的なストレスは副腎疲労を悪化させます。お子様であれば、人間関係のトラブルや受験、進学などは大きな引き金の要因になるでしょう。この場合やはり無理をさせて頑張って学校に行くことが、かえって体調を悪化させる要因にもなりえます。

まずはストレス回避のため違う選択肢はないのか、ご本人の意見を尊重しつつ、家族で検討する必要があります。

6.その他、大勢の人や場所が苦手な理由

また遺伝的な要因から学校生活そのものにストレスを感じてしまう方もいます。

「カクテルパーティー効果」という言葉があります。これは大勢の人たちが集まるパーティーのような環境で、ある一人の人の声を聞き取りずらいことを指します。大勢の方がいるワーワーとした雑音の中で、ある特定の音を聞き分けるにはGABAと呼ばれる神経伝達物質の働きが必要になります。GABAはアミノ酸のグルタミンから、グルタミン酸→GABAの流れで生成されます。

※下記の図を参照してください。

このグルタミン酸からGABAへ変換されるときに必要な酵素GAD(グルタミン酸脱水素酵素)の働きが弱いとGABAが不足し音の聞き分けが難しくなります。特に発達に問題があると言われるような方は遺伝的な要因からこの酵素の働きが悪くグルタミン酸からGABAへの変換がうまくいかないことが多いと言われています。その場合、GABAが不足することになります。

このグルタミン脱水素酵素の補酵素はビタミンB6です。遺伝的に酵素の働きが弱い場合はビタミンB6を多目にとってこの酵素の働きをサポートすることによってGABAへの変換を助けることができます。このことが分子栄養学でいう「個体差にあった至適量=ドーズレスポンス」という概念になります。

※自己流での高濃度のサプリメントの摂取は危険です。専門医に相談して下さい。

GABAが不足すると下記のようなことが起こります。

・言葉をうまく聞き分けられない
例えば、「今日は天気が良くて気持ちがいいです。」という言葉を聞く時

通常は、「きょうは□てんきが□よくて□きもちが□いいです。」と聞き分けられますが、
GABAが不足している場合「きょうはてんきがよくきもちがいいです。」と文と文との間がわかりづらく文節を区切って聞き取りずらい。ということになります。

またカクテルパーティー効果と言われるように大勢の中でワーワーと雑音がある時に、聞き取りたい音だけを聞き取れず、全ての音が同じトーンで聞こえてしまうという現象が起きている場合、対処療法として通学中の交通機関などでは飛行機などで使用するズキャンセラーを使用するのもストレス緩和には効果的でしょう。

 

その他

GABAの不足はコミュニケーション能力の低下や目を合わせられないといった行動にもつながります。

こうしたことから、その本人にしかわからない日常生活の支障が無意識にストレスになり、またそれを誰にもわかってもらえないということになります。

また上記のように変換がうまくいかない方がグルタミン酸を過剰に摂取してしまうと、自律神経はさらに交感神経優位に傾き、リラックスするのではなく神経は過剰興奮状態になってしまいます。

グルタミン酸は食品添加物として多くの食品にふくまれています。表記のとしては「アミノ酸等」と書かれていることが多いと思います。また小麦や乳製品にも多く含まれています。また発酵食品などにも多く含まれます。そのため自閉症と呼ばれる子供達や発達がグレーなお子様は特に上記に食品を避けることが望ましいとされています。

グルタミン酸と味覚障害について詳細が書かれています。こちらのブログをご覧ください

学校に行けない理由の背景にはこうした、人には理解してもらえない理由が隠れている可能性があります。特に発達がややグレーなお子様に関しては十分にありえる因子だと考えてもよいうでしょう。

また音だけではなく、光過敏などのその他の感覚過敏もある可能性があります。

学校に行けない理由をぜひ栄養の側面からも考えてみてください。

また「病気」や「体調不良」「怪我」など場合によっては自己表現の1つとして捉えることができるのではないかと思います。両親や友達、周りの環境に対して何か自分を抑え込む抑圧的な思考や行動になっている時、おそらく表現の1つとし体の不調を起こす場合があるように感じます。

なぜ学校に行けないのか、行きたくないのか、どうか多角的な視点から考えてみてください。まずは食事からのエネルギーを満たし、活力をつけることも1つのアプローチとして大変有効ではないかと思います。


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