栄養療法を効かせるには

今日は栄養療法を効かせるために必要なことを書きたいと思います。

それは「食事のコントロール」をいかにできるかです。

私の病院には副腎疲労や低血糖症、重度貧血なので日常生活がままならなくなってしまった方がいらっしゃいます。驚くほどにその方々の食事の傾向性はとても似ています。年代・性別・職業問わずお同じような傾向性を持っています。またそのような間違った食生活・生活習慣を長く続けていればいるほど重症になりますし、そこに突発的な極度のストレスや長い間の継続するストレスがあると体はいよいよ悲鳴をあげてしまします。

またこの方たちに共通する性格があります。それはだいたいの皆さんが頑張り屋さんということです。体はだいぶ前からシグナルを出しているのに、その体の声に耳を傾けることなく、ひたすらに突っ走しっていつも頑張り続けてしまうのです。頑張り屋さんの心の心理状態を書いている本がご「オススメ書籍」に掲載されていますのでぜひそちらもご覧ください。

ではこの方たちに分子整合栄養医学に基づく栄養療法をしていく中で、順調に改善していく方と、また足踏みをして一定の改善度でとまってしまう方がいらっしゃいます。その方たちの違いが実は「食事をいかにコントロールできているか」ということです。

皆さん「栄養療法をしたらどれくらいで治りますか?」という質問をされます。しかし栄養療法の肝は食事コントロールによって大きく左右されてしまうため一概にお答えすることはできません。サプリメントはあくまでも補助的役割であって栄養療法の中心的存在ではないからです。疲労している体をお花に例えてみると、疲労困憊している体はお花でいうと、お水がなくてカラッカラッで今にも枯れかかってるお花です。そこにスポイトでお水をあげても、なかなかお花は元気にならずに枯れてしまうでしょう。そこでで最初はバケツでお水をあげることによって、そのお花は生き返るでしょう。


ここでいうバケツの水にあたるものがサプリメントであったりします。栄養不足に陥ってしまった体に、到底食事から得られる栄養素では追いつきません。そのため血液データを見て個人個人にあった栄養素をサプリメントとして摂ってもらうことがあります。しかし最終的には食事から栄養を摂っていただきたいですし、必要なサプリメントがあったとしても必要最小限で済ましたいわけです。

なので一人ひとりに合ったサプリメントのご提案と同時に食事指導や生活習慣をしていきます。

私の目から見ていると、まだ動ける状態の人や、もともと食事の支度が苦でない方はわりと指示通りに食事内容を改善することができ、また症状の状態も順調に回復していくように思えます。

問題は疲労度が強くすでに食事の支度をする元気も残っていない方や、元々食事の支度が不得意な方はなかなか食事コントロールがうまくいかず長引いたり、サプリメントの摂り始めはグッと症状がよくなってもその後今一つ改善してこないということになります。

またかかりつけ医から出されているお薬を漫然と飲んでいたり、頻繁にかかりつけ医で採血をされている方も栄養療法の効き目を妨げる要因になります。特に胃酸抑制剤や高血圧の薬、高脂血症の薬、ステロイドなどは定期的にかかりつけ医に相談し本当にまだ必要なのかを確認してもらうといいと思います。これらの薬は栄養素の吸収阻害を起こしたり、体の代謝バランスを崩したり、免疫異常を招いたりすることがあります。

またお年寄りでは頻繁にルーティーンで採血をされている方もいらっしゃいますが、頻回な採血は貧血を招きますし、月経のある女性同様なかなか貧血が改善しなく様々な不定愁訴を招く原因にもなります。また特にお年寄りは胃腸の問題でお肉を避け煮物や野菜などを中心とした食事になる傾向があるため、食事からの鉄を初めとするミネラル・ビタミンの吸収も非常に悪くなります。

少し話がそれてしまいましたが、食事の支度が難しい時は1人で頑張ろうとせずに周りのサポートも惜しみなく受けることと、もしサポートしてもらえる方がいらっしゃらない場合はデパチカやお惣菜・外食なども有効活用してまずなにか食べるところから始めてみましょう。

副腎疲労のかたのステップ別食事のとり方は詳しくはこちらに書いてありますので、以下をご覧ください。

副腎疲労の方のステップ別食事の摂り方

早く健康な身体を取り戻し元気な生活を送るために、また治療費や治療期間を短くするには「食事コントロール」をしっかりやりましょう。本当の健康は医師が治すものではなく自分の努力で自然治癒力を高め改善していくものだと思っております。医師やサプリメントはあくまでもサポート的な位置にありその方に必要な知識のアドバイザーであります。

速効性を求めたい、自分は何も変えたくないという方には少し不向きな医学かもしれません。

 

 

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