乳がん予防のための栄養アプローチ1

先日東京でフェリス・ガーシュ博士による「女性の健康セミナー」に出席してきました。彼女はもともと産婦人科の医師として長年外科的手術や沢山の赤ちゃんを取り上げてきました。その後従来の治療法に違和感を覚え始め代替医療を再度勉強し直し、現在では栄養療法によるアプローチや多くの医療関係者に啓蒙活動をしています。 彼女自身も4人の子育てをし、仕事と家庭を両立しながらもここまでの業績を残してきていることに、まず同じ女性として大変尊敬の念と憧れの気持ちが芽生えました。今回はセミナーで学んだ「乳腺の健康」について少し簡単に内容をシェアするとともに、分子整合栄養医学に基づく血液解析から得られる乳がんリスクについて少し書いてみたいと思います。 まず乳腺の健康に特に関係していることをご紹介します。

  1. 出産する年齢・授乳期間
  2. 環境ホルモン
  3. 経口避妊薬やプロゲスチン類の使用の有無
  4. 適正な体重
  5. 抗酸化食品の摂取
  6. 適正な運動・睡眠

 

出産する年齢・授乳期間
こちらに関してはまだ若い女性であれば多少コントロール可能なところもありますが、すでに出産・授乳を終えている女性やもしくは出産・授乳を経験してない女性に関しては、どうすることもできない項目です。 博士によるとそもそもヒトの女性は20歳までに初産を終える体の仕組みになってるようで、20歳までに初産の経験があるかたは乳がんのリスクはかなり激減するとのこと。しかし現代の社会的背景や時代では20歳前の出産というのは、かなり少ない女性しか達成することはできないでしょう。 また授乳期間は少なくとも母乳で2年間が望ましく、ここに関しては母乳育児が勧められる中、私の周りでも2,3年母乳育児をしている方は珍しくありません。 博士のデータによるとこの要件を満たしていれば乳がんの発症率は0パーセントとのことでした。周りにいる女性でこれに当てはまる人は一人だけ見つかりました。私のお姑さんです。今の時代かなりレアです。

 

環境ホルモン
環境ホルモンによる内分泌攪乱物質に関しやはり昔に比べ現代の女性はかなり暴露されています。 いくつか種類はありますが、個人レベルで気を付けられることはプラスチック類をなるべく避けることでしょうか。とくにプラスチックに熱いお湯を注ぐと溶けだしたりしますので、温められたペットボトルやプラスチックのコップに熱いコーヒーを注ぐなどの行為は避けたほうがいいでしょう。 その他残留農薬や工場の廃棄物、香料などなど私たちの身の回りに溢れる環境ホルモンは防ぐのはほぼ困難です。ここで大切なのはその暴露されたものをいかに解毒するかということです。解毒は肝臓が担っていますので、栄養学的にみると肝臓の機能をよくするために栄養療法が有効なわけです。 しかしこちらはどちらかといえばコントロールが難しい項目です。

 

経口避妊薬やプロゲスチン類の使用の有無
経口避妊薬やプロゲスチン類の使用は各自である程度コントロールできることではないでしょうか。若い女性が安易に避妊や整理周期のために経口避妊薬を用いたり、また更年期予防や治療のために用いるのもリスクが高まります。ピルについては以前ピルの副作用のところでブログで書いていますのでそちらをお読みください。経口避妊薬の使用で乳がんリスクは34パーセントも増加するそうです。短期的副作用は目立たなくても、長い時間をかけ発症します。 化学物質で作られたホルモン剤は本来の女性のもつ自然周期を無視して常に一定のホルモンの濃度が維持されます。ところが月経のある女性なら誰もが分かるように、本来地球の自転や月のリズムに合わせて排卵や月経が起こるように体内でエストロゲン濃度は変化しています。ここが天然ホルモンと合成ホルモンの問題点なのです。

 

適正な体重
適正な体重を維持することがは最も重要でかつ自分でコントロール可能なものです。閉経後の体重増加は乳がんリスクを上昇させるナンバー1の原因です。閉経後の体重増加は特に腹部に脂肪がつき、内臓脂肪を増やします。内臓脂肪はとても炎症性が強く、体はいつも慢性炎症の状態になってしまいます。この慢性炎症の状態が極めて乳がんのリスクを高めてしまうのです。

 

抗酸化食品の摂取
抗酸化食品を摂取しているか。抗酸化の栄養素としてはビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・カロチノイド類・フラボノイド類です。またストレスもまた活性酸素を発生させますので、身体的・精神的ストレス問わずなるべく軽減させたいものです。

 

適正な運動・睡眠
運動と適正な睡眠もまた乳がんノリスク要因に含まれています。適度な運動は環境汚染物質から防御する効果があると言われています。また体内時計を無視した夜間シフトの仕事や不適切な睡眠もまた乳がんリスクを上昇させます。

 

というわけで3から6の項目は自分で気を付けよう、改善しようと思えばできることです。

乳がんにおいてエストロゲンは悪者扱いされていますが、そもそも体に必要だからあるわけです。本来若い女性が授乳中などによく起こる乳腺炎などの急性炎症のための防御、火消しシステムなのです。急性炎症を抑えるためのエストロゲンが、体のどこかで起きている慢性炎症にも反応してしまいその持続炎症をなんとか抑えようとさらにエストロゲンがさらに増え炎症を引き起こしDNAを傷つけてしまうことによって、乳がんの発症につながってしまうわけです。

慢性炎症は先ほどの肥満細胞からも炎症性サイトカインが放出されてしまったり、歯周病・上咽頭炎・扁桃炎・腸の炎症(リーキーガット症候群)・脂肪肝などなど自覚症状は乏しいものの身体のいたるところで起きやすいのです。先日のNHKスペシャルでも100歳を超える長寿のかたがたセンテナリアンと呼ぶそうですが、この方々に共通することは身体の慢性炎症がないとテレビで放映されてました。

では次に血液検査から分子整合栄養医学的にエストロゲン代謝の状態を推測する、つまり乳がんのリスクが高いか低いかの判断材料になる項目について次回書いてみたいと思います。