私の栄養療法 失敗体験談2

私の分子栄養学に出会う前後の失敗談について引き続き書いてみたいと思います。

失敗ケース4

「順番を間違えたデトックス」

私が分子栄養学に出会う直前に行って急激に体調が悪くなったものにデトックスをしたことがおそらく、体調悪化のとどめになったのではないかと考えています。前回のブログでも書いたように私は分子栄養学の観点からみるとかなりの栄養状態が悪かったのですが、「免疫力を高めます」というフレーズに誘われホットヨガに通い始めました。週3回バスタオルがずっしり重たくなるほど汗をかき、自分の体感はとてもスッキリ気持ちいという感じを味わっていました。

ところが、脳内の感覚とは真逆に風邪をひくようになり、発熱し、疲れやすくなっていきました。また口腔内の状態も急速に悪化し、赤みやただれがひどくなっていったのです。

汗をかくことはデトックス(重金属の排泄)としては大変よい方法だと思いますが、やはり必須ミネラルの不足がもともとあったり、全身状態がよくない場合、順番を間違えてしまうと体に必要な必須ミネラルも大量の汗として排泄されてしまい、結果的に免疫力の低下や副腎疲労などを招いてしまうことになったのだと思います。

<学び4>

体調不良がなかなか改善しない多くの方にはやはり重金属の蓄積という問題はある可能性が高い。しかしキレーション治療をはじめとしたデトックス治療は治療の順番というものがあり、ある程度の全身症状の回復や腸内環境の改善・必須ミネラルの補給などをしながら慎重に行う必要がある。

失敗ケース5

「重度亜鉛不足へのアプローチをしなかった」

一般的に注目を浴びやすい栄養素は鉄であったりビタミンB群やビタミンCです。もちろんこれらの栄養素もミトコンドリアの機能を回復させる重要な栄養素には間違いありません。しかし案外見逃されがちな栄養素は亜鉛やマグネシウムといったミネラルです。

亜鉛やマグネシウムや鉄などのミネラルは胃酸の影響や腸内環境の影響により吸収効率などが変わってきます。高たんぱくを消化するにも十分な胃酸や消化酵素は必要ですが、ミネラル吸収にもかかせません。また亜鉛は色々な患者さんの血液を多くみていくとかなり個体差が大きく、正常値より大幅に不足している方も少なくはありません。私もかなり血中の亜鉛濃度が大幅に正常値より下回っていたにも関わらず、栄養療法を実践し始めたころは指摘されることはありませんでした。

亜鉛は200以上の酵素反応に関与している重要なミネラルであり細胞分裂や免疫力など多くの役割をになっています。亜鉛については過去のブログに掲載しておりますのでそちらをご覧ください。「亜鉛の重要性」

また消化酵素をつくるうえでも非常に重要なミネラルです。またマグネシウムも亜鉛同様、あまり注目されずらいミネラルであり、血液検査などでも過不足を判断しずらいという側面をもっていおります。しかしマグネシウムも生体で300以上の酵素活性に関与しており、健康には欠かせないミネラルのひとつです。

<学び5>

ミネラルは「鉄」単一などの摂取ではなく他の微量ミネラルとのバランスや胃腸消化機能、生体利用性を考慮する必要がある。

失敗ケース6

 「根本的なストレスへの対処を全くしなかった」

朝起きられない。免疫力が下がる。疲れる。アレルギーが出る。などなど体に様々な症状がでてきますが、これらは結果です。多くの人が最終的に具合が悪くなる前にたくさんの予兆がでていますし、最終的な引きがねをひくのは過度な労働だったり、対人関係のトラブル、妊娠・出産や家族の介護や死別などです。これらがそもそものおおもとであり、ストレスがかかった時には栄養需要がさらに高まり、またミネラルなどは容易に尿中へ大量に排泄されてしまいます。

自分の限界を超えたストレスをかかえる人の傾向性ははやはりもともとがマジメな方が多く、少し手をぬいたり、休息をとるということが苦手だったり罪悪感覚える人までいます。実際私自身も元々はまじめな完璧主義な性格が災いしていたのは言うまでもありません。

当時は海外に住んでいたということもあり、なかなか育児の協力を他の人にお願いするには難しい環境だったため全ての育児を一人で抱え込んでいました。栄養療法を取り入れてたとしても、圧倒的なストレスに対する食事やサプリメントはざるに水を上げている状態でなかなか効果が現れずらいのも事実です。その後私は少しベビーシッターさんに子供を預けてみたり、週2回は保育園のような場所に預け気分転換を図るようにしました。

→栄養療法の効果が頭うちになるケースは根本的な圧倒的なストレスを緩和できない場合

→過酷な夜間勤務・休息のとりずらい職場・介護・サポートがいない育児などなど

→人によってはやはり転職や業務体制の改善・周りの理解などが必要な場合がある

<学び5>

体調不良の根本原因である肉体的・精神的な負担を少しでも緩和するために、時には転職や業務体制の変更・休職なども含め大きな人生の選択を迫られることがある。常に人生の優先順位を見誤ることなく、自分自身を大切にすることを心掛ける必要があること。圧倒的なストレスのもとの栄養療法は時に効果を発揮しないこともある。

体調がよくならないのには何か大きな肉体的・精神的な根本原因を緩和できない。また色々な食事法のメリットだけをみてデメリットを知らないということもあります。体調不良のかたのご相談に乗るときは単に血液検査で得られる栄養の過不足を見つけ出すということだけではなく、どれくらいその方自身の背景も含め問題点をみつけだせるかという総合的な観点が必要です。

 

 

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